こんにちは節約ヤロウです。
長々とお付き合いいただきありがとうございます。
「薄毛（完結編）」をお送りします。
妻との出会い
入社６年目を迎えたある日、妻が人事異動で私の所属する課に配属となりました。妖怪みたいで自信がなさそうな私ですから女性社員からは距離を置くかのような接し方をされていたので、妻も同じような対応なんだろうなと考えていました。
しかし妻は私と普通に接してくれました。はじめの頃は同じ課だから気を遣ってくれているのだと思っていましたが、数か月経っても変わらずに接してくれました。徐々に妻の顔を見て話ができるようになり、自然と惹かれはじめました。恋愛経験がなく見た目が妖怪な私が恋をするなんて周りから笑われそうですが、少しだけ「仕事を頑張ろう」という気持ちになりました。
妻が異動してきてからはじめてのバレンタインの日。会社の女性社員は義理チョコ配りに大忙しです。どういう訳だか私は妻から手作りチョコを貰いました。
なぜ！？ からかわれている！？
この手作りチョコはどういう意味なのか、自信のない私は素直に喜べずに疑ってしまいました。家に帰ってから開けてみると手紙も入っていて妻とデートすることになりました。はじめてのデートでは緊張しすぎて何を話したのか何を食べたのかよく覚えていませんが、からかわれていないのがわかって安心しました。その後自然と付き合うことになり内緒の社内恋愛です。
妻に私の第一印象を聞いてみたら「髪の毛がカナブンのお尻みたい」と言っていました。なんでこんな男と付き合おうとしたのか未だに理解不能です。後から聞いた話ですが妻はブサイクな男性が好きだったようです。それを聞いた時はなんだか複雑な心境でしたが、ブサイクと言ってもカナブン頭の妖怪男を好きになるなんてどんだけ許容範囲が広いんだよと思いました。
治療開始
ヘアセットしていない落ち武者のような髪型を見せるのは、妻がはじめてです。長年悩み続けていたのでこの姿を見せるのは非常に抵抗がありました。妻に嫌われたらどおしようと思う気持ちとプライドが邪魔をしてシャワーを浴びるのをためらいました。入浴を終えて薄暗くした室内でありのままの姿を妻に見せた瞬間、辛かった記憶がよみがえり涙が止まりませんでした。気づけば妻も泣いていました。底なし沼で溺れている私に蜘蛛の糸が降りてきた瞬間でした。
その後は妻と二人三脚で薄毛の治療がはじまりました。頭皮なので皮膚科を受診しましたが、先生といえどもありのままを見せるのは辛いです。気持ちを察してくれたのか、妻は診察室まで付き添ってくれて一緒に話を聞き私を支えてくれました。
頭皮の状態を確認してもらった結果、保険適応外の飲み薬を勧められました。薬の説明書を読むと色々な副作用が書かれていて怖くなりましたが、妻が背中を押してくれてお試しではじめてみました。
効能
薬を飲み始めてから１か月ほど経過した朝、いつものように朝のヘアセットをしていると
あれ！？ 生えてる！
明らかに少しだけボリュームがありました。薬の効果ですが長年悩み続けていた薄毛に初めて改善の兆しが見えた瞬間でした。念のため引っ張ってみると、しっかりとした根をつけていました。調子に乗って7：3分けにして髪型で遊んでしまいましたが、まだまだ明らかに薄毛でした。
うれしい反面問題点もありました。保険適応外の薬であるためお薬代が ￥１００００／月
悩み続けていた頃を思い出せば１か月１万円で前向きな生活が期待できるのであればと思い、服用を決めました。
転職
フサフサまでの道のりはまだ果てしないですが、少しでも改善されたことは私にとって大きなプラスです。生活のすべてを楽しく感じるようになり、世界が明るくなって誰にでも優しくなれました。
気持ちは前向きになりましたが会社では浮いた存在でした。イベントに参加しなかったことで周りからの印象は悪いままですし、イベントの幹事が持ち回りだったのに断り続けたことで同年代からは総スカン状態です。謝罪や言い訳をしたところでこの状態から挽回することは不可能だと感じとれました。
転職しようかな
ふと頭をよぎりました。仕事内容に不満はありませんでしたが、人間関係（自分が悪いのですが）を考えると今の会社で修復を試みるよりも、人間関係をリセットした方が精神的に楽だと感じました。さらに転職を機に坊主頭にすれば薄毛の呪縛から解放されます。また、妻は専業主婦を希望していたので、年齢的にも新天地で第二の人生を妻と歩んでいきたいと思いました。
転職結果は・・・・１勝３敗 年収３割減
自分の社会的価値に衝撃を受けましたが、精神的な安定と妻との生活が優先です。薄毛の辛い経験を乗り越えてきたので転職先でも頑張れると思い決断しました。
現在は坊主頭で汗だくになりながら仕事と子育てを頑張っています。ようやく薄毛との壮絶な１０年間が終わりました。今思い返すと性格が災いして泥沼化してしまい後悔することも多かったです。この経験が誰かの参考になればと思いブログに投稿しました。長々とお付き合いいただきありがとうございました。
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